アニメです 田 舎 映 画 館 4アニメです


支配人の張り紙  「 最近長野の映画館でも駐車場割引というのが出来てきてよい傾向です 」


 最近見た映画の感想です。ネタバレがありますので注意! 

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次回上映は未定です

 2000年度支配人の選ぶベスト5



「 ピンポン 」アニメです おすすめ!

主演 窪塚洋介 中村獅童  /監督 曽利文彦  (卓球を通した青春群像)  満足度 5  

 登場人物が見事に描き分けられていて、観客の誰もが「ペコ・スマイル・ドラゴン・アクマ・チャイナ」のだれかに自分を投影できるだろう。(場合によってはアババや先生の人もいるかも)支配人の場合は「ドラゴン」だった。試合前のプレッシャーに耐えるためにトイレにこもる姿は、学生時代に常にプレッシャーと戦ってきて「平穏な日が欲しい」と思っていた気持ちとピッタリリンクしてしまった。自分で自分自身を追い込んでしまっていたことに気づく、ペコとの一戦は「幸福感」に満ちていて好きなシーンだ。一緒に見た彼女は「スマイル」と言っていたから、見た人個人個人で好きなキャラクターが違うのだろう。
 この映画の優れた点の一つに「決め台詞が散りばめられている」ことがあげられる。通常、物語にひとつ程度の「作者の主張」が「ピンポン」の場合、場面場面で出てくる。あれだけ出てくればひとつぐらい見た人の心にどれかヒットするだろう。支配人には「天辺に立った人にしか見えない風景がある」っていうセリフが耳に残った。
卓球のスピード感がCGによって効果的に生かされていて、CGもこういう使い方なら理想的だと思った。この物語は「男の子の青春時代」をケレンミなく描いたものだったが、 単純に物事にぶつかっていき、悩み乗り越えて、常に「さわやかさ」「思い切りの良さ」が特徴として付きまとう青春時代の男の子の姿が、女性の目にはどう捉えられたか興味があるところだ。シーンとしてはペコとドラゴンとの戦いに時間を裂いてしまったゆえ、決勝のスマイル戦の結果が写真でしか示されていない。拍子抜けするところだが見た印象では頭を働かせるといろいろ想像もできあれでよかったのではないかと思っている。ヒーロー役の窪塚洋介は「GO!」の方が良かったかな。タイトルが「卓球」でなく「ピンポン」であるところが作者の最大の主張かなと思った。見終わった後「自分は今の仕事に才能あるのかな?」ってふと思ってしまうかも?   2002.10.17


「 ロード・トゥ・パーディション 」

主演 トム・ハンクス ポール・ニューマン  /監督 サム・メンデス (洋風子連れ狼とバカ親子)  満足度 3

 ストーリーはわかりやすい。ギャングのボス、ルーニーに拾われたマイケルは、今では実の子供以上にルーニーに信頼されかわいがられている。しかしボスの出来の悪い息子の仕事場を、車に隠れていたマイケルの息子が目撃してしまった。その口封じのためにマイケルの妻と次男は殺されてしまう。自身も狙われながら間一髪助かったマイケルは家を捨て、妻と子供の復讐を誓い長男と旅に出る。という導入部分。話的には破綻は感じられないのだがどうにも盛り上がりが無く、感動できる場面が無い。理由はどうしてもトムハンクスがギャングに見えないのと、彼が復讐を誓うに至るエピソード、悲しみがこちらの胸に迫ってこないのだ。親分のルーニー(ポールニューマン)がバカ息子をかばうのは、子を持つ親になった今気持ちはわかる。しかしだからといって実の子供以上にかわいがってきたマイケルを殺し屋に狙わせる理由が 説得力不足だ。またマイケルが逆にルーニーを殺してしまうところも?マークがつく。まあ、殺さなければ息子ともども殺されるといっても世話になった人に銃口を向けられる神経が支配人にはわからなかった。またその決断に苦しんだような場面も無い。監督のサムメンデスはアメリカンビューティでアカデミー作品賞をとった人だが、淡々と場面を描く手法が「家族の崩壊」を描くには吉と出たが、「親子の情愛」を描くには凶と出たようだ。   2002.10.19


「 インソムニア 」アニメです 

主演 アル・パチーノ ヒラリー・スワンク  /監督 クリストファー・ノーラン (目がしょぼしょぼする心理サスペンス)  満足度 4

 サイコ色が感じられるが、それは最初の死体の異常さだけに留まり、あとはわかりやすい筋立て。ただしこの映画の見所は「犯罪の解決」ではなく。解決に至るまでに示されるアルパチーノ扮する刑事の心理サスペンスだ。女子高校生撲殺の事件の応援にアラスカに飛んできたのはロスの二人の刑事。そのうち過去にいくつもの事件を解決し今や名声も高いアルパチーノふんする刑事・ド−マーは、過去の事件で証拠を捏造し犯人を起訴に追い込んだ秘密があった。折りしもそのときの相棒のバップが内務捜査官と取引し証拠の捏造を証言するという。事が公になればドーマーは逮捕されてしまう。やがて警察が仕組んだ罠に引っかかった犯人が姿を現すが、折からの霧で逃げられ、地元の警官を撃たれた彼は謝ってその相棒バップを撃ってしまう。  はたしてドーマーは間違って撃ったのか?それとも証言封じの為に撃ったのか?ますます窮地に追い込まれたドーマーは犯人が撃ったように見せかけて難を逃れるが、なんと当の犯人がその現場を目撃していて彼に取引を持ちかけてきた。というのがあらすじ。アラスカの夜10時を過ぎても日が沈まない白夜のまぶしさに、自身の罪への思いから不眠症に陥っていくアルパチーノの演技は的確だ。支配人も「遮光カーテン」一枚では朝まぶしいと感じているまぶしがり屋さんなので、窓の端をガムテープでふさぐ場面の気持ちがよくわかった。結局自らの罪を認め、掛け違えたボタンは元に戻さないといけないといった内容なのだが、ヒラリースワンク扮する 女性警官に存在感があり、よくまとまった心理サスペンスになっている。ロビンウイリアムズも新たな役で健闘しているがアルパチーノの適役の前にややかすんでいる。    2002、10.07


「 ル・ブレ 」 

主演 ジェラール・ランヴァン ブノワ・ポールブールド  /監督 アラン・ベルベリアン&フレデリック・フォレスティア (フランス流ドタバタコメディ)  満足度 3

 フランスでは大ヒットしたコメディ。前半はハードボイルドアクション風、中盤は火曜サスペンス風旅情ドタバタ、終盤はアクションコメディとでも言いましょうか、なかなかクスクス笑いの種は随所にちりばめられています。ただ、大笑いにならないのが辛いところ。笑いの質は少林サッカーと似ています。あらすじは服役中の暗黒街の顔役が仲良くなった看守に買わせた宝くじが1500万フランの大当たり。ところがその当たりくじを看守の奥さんがアフリカに持って行ってしまったことから、この二人に顔役を弟の敵と狙う ギャングまで加わって大騒動、ってところです。途中ラリーの場面が出てきたり、工夫した作りになっているので飽きさせません。「くだらない」って思わなければ乗れるでしょう。序盤のパリの街の中のカーチェイスとと観覧車がごろごろするアクションは一見の価値ありです。ただしアクションはそこだけです(ホント!)。支配人はラストの、賞金を協力者に配っているナンセンスな場面が一番印象に残っています。空いた時間に見るには最適の作品かな。看守役の役者さんが途中からエピソード1の「ジャージャーピンクス」に見えてしょうがなかったです。(それだけよく喋り捲っているわけ)  2002、8.31


「 スターウォーズ・エピソード2 クローンの攻撃 」アニメです 

主演 ヘイデン・クリステンセン ナタリー・ポートマン  /監督 ジョージ・ルーカス (ラブロマンス+スターウォーズ)  満足度 4

 エピソード1よりは面白かったかな。前半はアナキン:スカイウォ−カーとアミダラ姫とのいちゃいちゃぶりが気になって、「何の映画を見に来ていたんだっけ」と思わず我を忘れそうになりました。前半は、歴代のスターウォーズシリーズでは異色の肌触りです。ただ、中盤からは「スターウォーズはこうでなくっちゃ」っていう感じの宇宙空間でのドンパチがCGで一段と派手になってお目見えし、歴代のファンを楽しませてくれます。ストーリー的には後にダースベイダーになるアナキンスカイウォーカー が、いかにして暗黒面に落ちていくのかの橋渡しとして、やや説明的な場面も多いがそれゆえにわかりやすさもあります。R2D2とC3POとの掛け合い漫才も登場し昔からのファンには楽しめる場面もたくあん用意されていました。なかでも「ヨーダ」の強さには「喜劇映画?」ってくらいの意外性があってまあ、賛否は見た人の判断にゆだねましょう。この調子だと完結編の予定のエピソード3も面白くなりそうだという気にさせる出来でした。アミダラ姫のコスチュームは際ど過ぎる気もする。ジャージャーの登場場面が 少なくなったのは好印象。  2002,8.4


「 少林サッカー 」アニメです 

主演 チャウ・シンチー ヴィッキー・チャオ  /監督 チャウ・シンチー   (オバカな少林寺風やりすぎサッカー)  満足度 4

 オバカ映画に徹したことが成功の鍵でしょうか。「面白そう!」と前評判も高く、期待して見に行きましたが期待を裏切らないオバカ映画でした。ただ、暴力シーンが多いのでだれにでもお勧めというわけにはいきません。また、メンバーが集まるまでの前半部分はもたつきがあり、ちょっと飽きてしまうところもあるかもしれません。しかしアディダスで固めた大会一回戦のキックオフシュートを何回も繰り返すばかばかしさと、少林チームのメンバーの間の抜けたような 喜び方の場面から物語りは急展開でテンポが良くなります。ここからはCG,ワイヤーアクション全開で、まったくギャグ漫画の世界をスクリーンで見せてくれます。シュートしたボールが火に包まれライオンに姿を変えるあたりは、名作「巨人の星」を彷彿とさせます。他にも「小銭ある?」と聞かれて「ハイ!」と答えてしまう場面やムイちゃんの7変化、日本のタレントにそっくりの少林寺の兄弟弟子たち、と見所は一杯です。ラストの悪は滅び正義は勝つという単純な構図。 娯楽作品としてとても優秀です。ブルースリーのそっくりサンの4番目の兄弟子(ゴールキーパー)のそっくりぶりも見ものです。漫画でしか見ることはできないと思っていた場面をスクリーン上で見せてくれたことで、なにか「夢がかなった」というような感動もあったことを付け加えておきます。   2002,6.17  


「 パニックルーム 」 

主演 ジュディ・フォスター フォレスト・ウィティカー  /監督 デビット・フィンチャー   (密室サスペンス風)  満足度 3

 「パニックルーム」と言う言葉は初耳でしたが、非常時に逃げ込む外敵から身を守るための頑丈な部屋のことです。TVでCMもやってるし映画館でも「予告編」は良く出来ていました。しかし本編はいまいちいただけません。ハラハラドキドキ感に欠けるのです。まず、押し込み強盗団(始めは窃盗団)が金庫の金目的で、母子が目当てでないこと。犯人一味にどう見ても善人にしか見えないメンバーがいること。それに密室サスペンスを期待していた向きには、母子が パニックルームから結構出入りしてしまうこともマイナスかと思います。「Uボート」のような密室劇が緊張感を増すのは、密室から出るには「死しかない」という状況があるからでしょう。その点この映画はそれなりの状況設定はありますが、どうも緊迫感に欠けるきらいがあります。プロパンガスに火をつけて反撃するところや、隣人にライトでサインを 送るところとか、良いエピソードはあったので後は演出でしょうか。治安の悪いアメリカではパニックルームは珍しくないようですが、狭い日本では「子供部屋」になってしまうかもしれませんね。   2002、6.2  


「 スパイダーマン 」アニメです 

主演 トビー・マグワイア ウィレム・デフォー  /監督 サム・ライミ   (視覚的ヒーロー物)  満足度 4

 アメコミのヒーローって(バットマン・スーパーマン)どうしてみんな普段はのろまで、暗い性格なんでしょうか?今回のスパイダーマン、客席は疎らでしたが楽しめました。物語がやや説明的(スパイダーマンが誕生したきっかけなど)に感じますが、アメリカの大人気の原作漫画存在は知っていても、ストーリーは私を含め知らない人が多いでしょうから 、一つ一つ教えてもらうのも悪い事ではないと思います。(知ってる人には不必要ですが)ストーリー的には主役級3人=主人公、彼女、オズボーン(グリーン・コブリン)の背景がわかりやすく描かれており、そのためかキャラクターが画面上で生きています。特にウィレム・デフォー演じるオズボーンは明らかに今回の主役で、まちがいなく彼の代表作になるでしょう。怪演&好演です。トビーマグワイアも スパイダーマンでないときの存在感が好ましく、特にわざと逃がした強盗がおじさんを殺してしまう運命の場面ははなかなか胸に迫ってきました。スパイダーマンのテーマでもある「大いなる力には大いなる責任が伴う」ということも忠実に再現されているしアメコミのフィーリングも再現されていたと思います。
意見が分かれるのは主人公の彼女役。ファニーフェイスなのでヒロイン度は余りありませんが、パート2も作られるようなので、今後の演技に期待しましょう。個人的には感謝祭のターキーに手を出したオズボーンが叔母さんにたしなめられたときに見せる凶悪な表情を見るだけでも価値がある作品だと思います。視覚的にもすばらしいので是非「映画館」で見るべきですよ。「スパイダーマン学」のテキストに最適です。 スパイダーマンが糸を発射して摩天楼を飛び回るシーンは、やはりニューヨークを感じさせてしまいました。  2002,5.29


「 ロード・オブ・ザ・リング 」

主演 イライジャ・ウッド イアン・マッケラン  /監督 ピーター・ジャクソン   (実写版ドラゴンクエスト)  満足度 3

 長かったです。(上映時間2時間58分)メンバーがシャイア(ホビットの庄)を出発してからの冒険は息もぬつかせぬ面白さなのですが、そこに至るまでがちょっと退屈でした。ただ世界的ベストセラー、トールキンの「指輪物語」の映画化ですからそうそう大胆に省けないのかもしれません。
物語は一言で言えば「究極の不燃物処理の旅」です。「冥王サウロン」が作り出したとても危険な指輪を、この世から葬るたった一つの方法として、その指輪を作り出したモルドールの火山に投げ込むために旅を続けるーというストーリーです。ただ、そのモルドールは敵に支配されていて、たどり着くまでが波乱万丈なわけです。登場人物も多いのですが 結構描き分けられていて一回見れば覚えられます。酒場のシーンではホビットの背の小ささもCGでうまく表現されていたし、後半の地下の場面ではテレビゲームの想像の世界がイメージどおり目の前に描き出されて感心します。3部作なので今後の展開が楽しみです。ハリーポッターとよく似ていますが、こちらのほうがやや年上向きでしょうか。今回の中では いつも悪役の「ショーン・ビーン」のボロミア役が印象に残リました。ケイトブランシェットのエルフの女王役は怖かったです。     2002、4.27


「 ビューティフル・マインド 」

主演 ラッセル・クロウ ジェニファー・コネリー  /監督 ロン・ハワード   (変わった人の人生と妻の献身)  満足度 3

 天才数学者だからしかたがないが、主人公ナッシュは変わっている。「頭は(賢さは)人の二倍だがハート(人間性)は人の半分」といわれていて、当の本人もそれを認めている。ただ、授業に出ないというところはなんとなくわかる気がした。新発見は過去の積み重ねから訪れるものではなく、新しい「発想」から導かれるものだという気がするからだ。だから「過去の積み重ね」の 最たるものである授業には、魅力を感じないのだろう。
 ストーリー的には親友とその姪が主人公の幻覚だとわかるシーンはショッキングだった。幻覚から暗号解読に没頭している彼は哀れだが、反面生き生きしていたようにも見える。物語の焦点はそんな実在の主人公の生き方ともうひとつ彼を支え続けた妻の姿にも当てられている。幻覚から突拍子もない行動に移る主人公に対し支え続けた妻の姿は 感動的でジェニファーコネリーが好演している。なかでも息子を溺死させられそうになった場面と「つらい時は彼のやさしかったころの姿を思い出すの。そこには好きだった彼がいるの」と話す場面はクライマックスかもしれない。精神は病んでいた主人公だが、妻も彼の元ライバルだった学部長も彼の真理を追い求める ピュアな姿を知っていたからこそ協力を惜しまなかったんだと思う。映画的というより小説を読み終えた印象の作品だったが内容は悪くない。2002年アカデミーショー作品賞・助演女優賞(ジェニファー・コネリー)   2002、4.21 


「 アメリ 」アニメです 

主演 オドレイ・トトゥ マチュー・カソビッツ  /監督 ジャン=ピエール・ジュネ   (箱入り娘のちょっといい冒険)  満足度 4

 ナレーターがリードする語り口、アコーデオンを多用したバックミュージック、パリの下町の風景ととてもクラシックなつくりの映画だ。主人公は親の考えで子供のとき学校に行かず、他人との干渉なしに大きくなった女の子アメリ。日本ではあまり考えられない特異なキャラクターだ。成人してパリのカフェ「ムーラン」で働き始めたアメリだが周囲はまたまた個性的な人物だらけ。  夫に駆け落ちされた下宿屋の女主人、骨の病気で一歩も外に出られない老人、嫌味な八百屋、スローモーだが人の良いその使用人。カフェの面々も録音ストーカーの客ら一癖も二癖もある連中だ。
そんな中でアメリが宝箱を発見し、持ち主に届けようとするところから物語りは動き出す。。アメリ自身「何かを変えたい!」という願いのよりどころとして、やや007風なユーモラスな描写とあいまって 公衆電話を使用して見事に持ち主に返還する。しかも持ち主が感激したこともちゃんとカフェの隣の席で確認する念の入れよう。この場面から後もアメリが他人とコンタクトするときは公衆電話が多用されるがその戦術は目を見張るものがある。こんなところにも単刀直入に人と交渉できないアメリの姿がユーモアを交えて描写されている。
インスタント写真のなぞの男のエピソードはすぐ思い当たってしまったが 、カフェの女主人の「一目ぼれの作り方」の講義の後インスタント写真コレクターを改めて目にすると「胸キュん」となるところは面白い。結局悪いやつは懲らしめられ、自分が幸せを分けて上げた隣人たちの応援によって恋を成就するというストレートなストーリーがとても魅力的だ。アメリが決意して、駅のインスタント写真のところで彼にぶつかろうとするも見失ってしまう落胆の表情を知っているから、ラストの二人でオートバイに 乗るシーンは開放感あふれ幸せいっぱいの名場面だ。しかしこの物語「変な人」が多すぎないか?インスタント写真コレクターの彼にしてももし、合コンの席で「私の趣味は客の捨てたインスタント写真の収集です」と言ったら、大半の女性は引いてしまうのではないだろうか?まあ。このお話は「同じ匂いを持った二人のお話」だからこそ通用するのかも知れないが。    2002、3.30


「 オーシャンズ11 」

主演 ジョージ・クルーニー ジュリア・ロバーツ  /監督 スティーブン・ソダバーグ   (オールスター娯楽作)  満足度 3

 今、注目のスティーブン・ソダバーク監督作品。昔フランク・シナトラが主演した「オーシャンと11人の仲間」のリメークです。この作品はジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ、マット・デイモン、アンディ・ガルシアなど、主演級のスターが豪華に勢ぞろいしているところが魅力です。ストーリーは刑務所を仮出所したばかりのオーシャン (ジョージ・クルーニー)が昔の仲間を集め、資金元も得て、現在はカジノ王のベネディクト(アンディ・ガルシア)の「女」になっている前の妻テス(ジュリア・ロバーツ)とカジノの金庫に眠る大金の両方を見事に物にするという犯罪ストーリーです。ただ、ややサスペンス感に乏しく、「トラフィック」のラスト、ベニシオ・デルトロが野球場で試合を見つめるような 「感動」もなく、まさにプロ野球のオールスター戦のような緊張感のなさがやや物足りないかも?ただそれは「安心して見ていられる娯楽作」 ということもできますね。ソダバーク監督の手際のよさは健在ですが、推敲を省略してしまった感じがします。ジョージ・クルーニーは思ったよりも存在感があってびっくりしました。 2002、3.7 


「 メメント 」 

主演 ガイ・ピアーズ キャリー・アン・モス  /監督 クリストファー・ノーラン   (時間逆行記憶力勝負サスペンス)  満足度 3

 昨年の「トラフィック」は「よくまああんなに登場人物がいて、混乱なく演出できるものだ」と感心したが、この映画は「よくまあこんな状況を考え付いたものだ」と感心した。
 ほぼ、脚本の勝利ともいえるが実際に演出した監督の力量も賞賛されていいだろう。物語は記憶障害によって「10分ほどしか記憶をとどめられない」主人公が、妻殺しの犯人を自身の体まで使ったメモとポラロイド写真によって、犯人を追い詰めようというものだ。もちろん、妻が殺されたこと事体忘れてしまうため、その事実も体に刺青されている。なにしろちょっと前に会った人が「誰だったか?」忘れてしまうし、バーボンを持って トイレに入っても「俺酔ってないのになんでボトルを持っているんだ?」と忘れてしまう。これらのエピソードは主人公の復讐の困難さと病状の深刻さをうまく提示している。
 だんだん過去に戻っていくという演出法は、見ている観客もよく頭を整理していないとわけがわからなくなるので、別の意味でもサスペンス感がある。ただ、終盤にかけてのサスペンスの盛り上がりに欠け、ラストは意外でもあるがやりきれなさが残るので、見終わった後「疲労」が残る人もいるだろう。
 設定の挑戦的なところに乗れるか乗れないかが評価の分かれるところだろう。主人公のガイピアーズは印象的。「マトリックス」のキャリーアンモスはやや物足りないでき。   2002,2.17


「 GO 」アニメですおすすめ! 

主演 窪塚洋介 柴咲コウ  /監督 行定 勲   (在日問題+青春物)  満足度 5

 テンポがよく歯切れも良い疾走感あふれる演出が心地よい。主人公の二人+両親役の山崎努、大竹しのぶが魅力のある姿を見せとても面白くかつ感動作でもある。2年前のシュリがそうであったように、難しい「在日朝鮮人と日本社会の問題」を主人公が自分の恋愛問題として直面する形で描くことによって、もし、私が主人公だったら?もし、彼女の立場だったら?と観客の身近な問題として考えられるよ うに展開されているところが受け入れやすくしている。絵的には日本の高校に入学した主人公・杉原が挑戦者を退けるややコミカルな場面と、なんと言っても初体験の場面の緊張感は「在日」を告白する緊張感とあいまってこの映画の中でも秀逸な場面となっている。彼の在日の告白に一歩退いた彼女が、自分の頭で考え結論を出し、クリスマスに杉原を電話で呼び出す場面は感動的だ。(山崎努のサイレントナイト・ホーリーナイトの連歌が面白い) また、二人が簡単には深い関係にならないところも好感が持てる。ラスト、お互いのことを分かり合って新しい一歩を一緒に歩みだすことを選択した二人に、自分の若いときを重ねてしまった人は多いのではないだろうか。元ボクサーで理想の父親的な山崎努も 経済的には恵まれていないところも社会の厳しさを感じさせる。親という立場から見ていると子供には自分の生き方を見せることしかできないんだなあ、また、それでいいのかもと考えさせられた。長野での上映が終了し、上田まで足を延ばした甲斐があった。    2002、2.7


「 バニラスカイ 」

主演 トム・クルーズ ペネロペ・クルス  /監督 キャメロン・クロウ   (哲学風サスペンス+スター物)  満足度 3

 ペネロペ・クルスがとても清楚でキュートに撮られている。これは映画の中での必然か?、プロデューサーに名を連ねているトムクルーズとの現実を反映したものか?(現実には恋人同士)
ストーリーは、人の心の痛みがわからないお金持ちのお坊ちゃまが自動車事故を機に、真実の愛に気づいていくというもの。ただし画面は「夢と現実」が頻繁に行ったり来たりして、よほど頭を整理してみていないと「ついていけない」という結果に終わりそう。そして「結局どういう話だったの?」という感想が出そう。「ザ・エージェント」以来「アイズ・ワイド・シャウト」 など、たんなる娯楽作には出演しなくなったトムクルースだが、今回はサスペンス映画「オープンユアアイズ」のリメイクに挑戦。「夢と現実」といえば、古くはトータルリコール、最近ではマトリックスにも同様の場面が出てきたが、映画県で見ていても、夢と現実の「区別」が難しく、サスペンスなのかラブストーリーなのか見ているほうは混乱する。(結局、顔は元に戻ったのか?ソフィアを殺したのか?) トムクルーズ自身は醜男を演じたり仮面をつけたりなかなかがんばっている。しかし哲学的にもサスペンス的にもいまいちといった感想だ。キャメロンディアスも出演していてカートラッセルと共にとても豪華キャストだ。 2002、1.30


「 スパイゲーム 」 

主演 ロバート・レッドフォード ブラッド・ピット  /監督 トニー・スコット   (安楽イス型スパイもの)  満足度 3

 CIAを本日定年となる現場たたき上げの諜報部員「ネイサン・ミューア」が、かつて自分がスカウトした部下であるトム・ビショップを中国の蘇州刑務所から助け出す物語。回想を次々に挿入することによって、トムがなんの目的で単独行動をとったのか?そしてそれはかつてミューア自身が仕掛けた事件が発端となっていたことがわかる仕組み。そうとわかってからは、定年後リゾート地に引退するために、こつこつとためた全財産を、トムの救出のために 惜しげもなく拠出する男の友情。一匹狼でもいい、ただしいざという時は大胆に行動する「こういう生き方をしたい!」と思わせてくれる映画。キャサリン・マコーマックがブラビの相手としてはちょっと役不足かな?という思いは残ったものの、上司と部下という線を越えた男の友情が「カッコ良く」描かれていて楽しめる。最後に「外食作戦」というコードネームでトムが「ああ、助け出してくれたのは、CIAじゃなくてミューアだったのだ!」と わかるシーンは感動を呼ぶ。その割りに点が辛いのは「TV的」な印象を受けてしまったからです。  2002,1.7


「 ハリーポッターと賢者の石 」アニメです 

主演 ダニエル・ラドクリフ ルパート・グリント  /監督 クリス・コロンバス   (実写版ドラゴンクエスト)  満足度 4

 イギリスの風味漂うハイイメージで不思議な世界が楽しめます。物語の展開は「千と千尋」にも似て、少年の冒険活劇になっています。ジョンレノンの幼少時を思わせる主人公のハリーと、ちょっと「さとう玉緒」似?の優等生ハーマイオニー、悪ガキ風のロンの3人組。3人組の魔法使いというと、ファミコンの「ドラクエ」を思い出してしまいます。なにせ「トロル」も出てくるし。なんかこの映画を見て、ドラクエの実写版を見ることができたような 喜びがありました。「ハリーポッター」、支配人は本は読んでいませんが、映画だけでも十分理解できますし、面白いです。。また、2時間半という長丁場ですが、少しも飽きさせません。若干「切った」ところがつながりが悪かったりしますが 物語に迷子になるほどではありません。3人組のチームワークが、自分も小学生のころ読んだジュニア小説のようにわくわくしながら、あこがれながら見ていました。夢もあるし子供と一緒に見に行くには最適の水準以上の出来ばえの作品だと思います。難を言えば、校長や副校長の「独断」で点数をつけるのはいかがなものか?3人組が規則を破りすぎるのは!?これも自分が大人になってしまったからこそ思うことなのかもしれません。 続編も楽しみです。  2001、12.17


「 ブリジットジョーンズの日記 」アニメです 

主演 レニー・ゼルウィガー ヒュー・グラント  /監督 シャロン・マグワイア   (独身女性の本音暴露風)  満足度 4

 32才になる出版社勤めのぽっちゃり型の女性OLがいかにして彼氏と巡り会えるかのお話。正に観客と等身大のこの物語を「レニー・ゼルウィガー」に持ってきたのはとても正解。全く違和感がない。彼女、最初は「外見がGOOD」のヒューグラント演じる上司に惹かれるのもわかるし、結局「ありのままの自分」を愛してくれる異性が大事だとわかってくるところも十分納得できる。世の中独身の30代女性は 非常に多くなっているが、支配人のリサーチでも「結婚はしたくないわけでじゃない」というのが彼女たちの一致したご意見。まあ、正に「出会い」を待つしかないのだが、肝心の時を逃さないのも大事だ。たとえば、ラスト近くで日記に書かれた自分への悪口を読み部屋を出ていってしまった彼を走って追いかけるところ。とか、彼の両親が彼を別の女性 (ナターシャだっけ?)と婚約発表しそうになるとき「そんなのダメ」と叫ぶあたり。とても劇的だけど、ここ一番での集中力とちょっぴりの勇気を持っていないとなかなかゴールインできない最近の状況かな。やはり結婚はしたいし、結婚に至る過程でも「物語」が欲しいのが現代の風潮と理解しています。物語的には破綻が少なく(お母さんの浮気エピソードは不要なような気もするが 結婚後の厳しさを見せるという点では必要か?)こういう気持ち「あるある!」といって楽しめる映画ですね。佳作と言っていいでしょう。追伸:私の隣で見ていたカップル(推定20代前半、初デート)の男性が、彼女?と「ですます調」で会話をしていたのがとても新鮮でした。  2001,10.07


「 千と千尋の神隠し 」アニメです 

主演(声)柊 瑠美  菅原 文太  /監督 宮崎 駿  (異界アドベンチャー)  満足度 4

 封切り1ヶ月後の平日の午後なのに7割は入っていました。「ホワイトアウト」以来、窓口で久しぶりに並びました。客層はカップル、ファミリー、女性一人など。支配人のような男一人はあまりいません。
 この物語は、監督によると「10才の少女に見せるために作った」という事です。しかし大人でも十分楽しめる内容でした。また、「油屋」の外見の仰々しさや内部の喧噪は「映画館で見るべき」ものだと思います。 登場人物もわかりやすく特に「釜爺」はしゃれっけもあり愛されるキャラクターだと思います。それに八百万の神々の造形も一見の価値があります。ストーリーでは両親を豚に変えられてしまった千尋が、湯屋である「油屋」で働くうちに自分の内に隠れていた自分でも気づかなかった性格が発揮されて(いわゆる「成長」)最後は魔女の姉の「銭婆」にも 一目置かれるまでになるというわかりやすいお話です。ただ、「となりのトトロ」は現実世界に根ざしたメルヘンであった点を考えると、はじめから異界にいるこの物語は、全てがメルヘンともいえますが、普通の日常生活に根ざしていないため「単なる夢物語」で終わってしまうマイナス点もある気がします。
また、湯婆婆に名前を取られて「千」になってしまった千尋が、恩人とはいえなんであれほど「ハク」に夢中になってしまうのか今一つ唐突に思えることと(年のせい?)、「カオナシ」が哲学的な存在である割にストーリーの中でこなれていない気がします。この映画を見て「どうして千は最後に豚の群の中に両親がいないとわかったのか」それだけは聞かないでくださいね。それを考え、自分に問い直してみることがこの映画の一番大事なところ だと思うからです。   2001,8.31


「 AI 」アニメです 

主演 ハーレイ・ジョエル・オスメント フランシス・オコーナー   /監督 スティーブン・スピルバーグ  (21世紀型ピノキオ)  満足度 4

 「ママに愛されたい」と願うあまりに「人間になりたい」と望んだメカ(ロボット)のドラマ。冒頭の第一部(森に捨てられるまで)にはロボットの子供を愛せるかとともに、人間の子供とロボットの子供ではどちらも愛せるか?というテーマが語られる。つづく第2部(氷河期になるまで)ではちょっと味わいが変わりジゴロロボットとともにデビットの冒険が 描かれる。そして最後にはETによって願いが叶う場面が描かれている。このような3部構成なのだが、「ヒューマンドラマ」なのか「冒険物語」なのかちょっと混乱しているところが残念。また人間の子供の「意地の悪さ」が描かれていることで「人間らしさ」を逆説的にあぶり出している。これからの時代ますますロボットは身近なものになってくるだろうが 、ペットを捨てるように、いらなくなったら捨てるのだろうかと寂しい気持ちになった。このところ「自然と共存」が叫ばれてきたが「機械との共存」も今後重要になってくるかもしれない。邦画の秀作「愛を乞う人」でも「人は誰かに愛されたいのだ」と示されているがアメリカでも同じなのだと妙なところで感心してしまった。   2001,7.17 


「 みんなのいえ 」アニメです 

主演 田中 邦衛 唐沢 寿明   /監督 三谷 幸喜  (ホームコメディ)  満足度 4

 私の「邦画ベスト3」に入る「12人の優しい日本人」で一躍注目を浴びた三谷幸喜監督の「ラヂオの時間」につづく第2作だ。非常にシンプルな構成の映画である。ある夫婦の、土地を買って家がたつまでの話である。当初、主人公夫妻のココリコ・田中と八木アナの素人っぽさが目について困ったが 中盤からは気にならなくなった。この映画の見せ場はなんと言っても大工の棟梁・長一郎を演じる田中邦衛である。「インチでなんか家は建たネエよ」などとみえを切るあたりがとてもはまっている。実際家を建てるときはこんな調子なんだろうなあっとほほえましく見ることができた。対する唐沢寿明扮するインテリアデザイナー も敵役として見事で、中盤でペンキをぶちまけてしまう当たりに、プロなんだけど自分を制御できない未熟さがよく出ていたと思う。きっと長一郎棟梁の「気持ちの」よき跡継ぎになるのではないだろうか。近い内に?大工さんに 家を建ててもらおうと希望している私にはとても面白く勉強になる映画でした。   2001,6.27  


「 トラフィック 」アニメです 

主演 マイケル・ダグラス キャサリン・ゼタ・ジョーンズ   /監督 スティーブン・ソダバーグ  (麻薬問題セミドキュメンタリー)  満足度 4

 非常に登場人物も多く、密度の濃い作品。大きく分けてシンシナティのマイケルダグラスの麻薬を取り締まる角度と麻薬に犯されている彼の娘の角度。アカデミー助演男優賞に輝いたベニシオ・デル・トロのメキシコの麻薬を取り締まる角度。それにサンジエゴのキャサリン・ゼタ・ジョーンズ 扮する麻薬の運び人の(犯罪者の)角度。それぞれが青味を帯びたシンシナティ、黄色みを帯びたメキシコと色分けされている。これらが別のところで起きている事件と認識できないと見ていて訳が分からなくなる可能性もある。(森村誠一の推理小説のようだ)
この映画のうまいところは 登場人物の心情を描く場面を巧みに取り入れているのでノンフィクションのようでいてドラマ性もある。麻薬問題は日本ではまだあまり身近ではないが(今後もその方が良いが)それぞれの立場での言い分が描かれていてよく理解できる。特にメキシコ軍の将軍が2大組織の片方とつるんでいた件など 事実を元にしているとはいえ大変問題の根深さを語っている。後に毒殺されてしまう運び屋のルイスが発する「麻薬の売人を捕まえることはもう片方の組織の手先になっていることと同じだ」というセリフなどそうかもしれないとこの作品を観た後なら思ってしまう。最後で示されるメキシコに夜間照明付の 公園が作られて場面こそ本当にメキシコの麻薬問題の解決の第一歩かもしれないなと思った。見方に寄れば「麻薬問題について」という文部省推薦の映画とも言える。生徒が体育館で座ってみる日が来ないことを祈りたい。 2001,6.7


「 JSA 」 

主演 ソン・ガンホ イ・ビョンホン   /監督 パク・チャヌク  (韓国版「将軍の娘」風サスペンス)  満足度 3

 韓国であの名作「シュリ」を凌ぐ大ヒットを記録した作品。JSA「共同警備区域」をテーマにした、歩哨所での南北の兵士の交流が事件につながってしまうサマを描いている。ただ、サスペンスとしては肝心の「銃撃戦に陥ってしまった場面」の理由付けが ややわかりにくく「なるほど!」というような腑に落ちる感じがしない。またシュリに比べて恋愛が絡んでこないため単調でもある。サスペンスとしてみても、北と南の陳述書の内容が異なるわけの掘り下げが今一つ感動に結びついていない。しかも上官にとどめを刺した 北の士官(ソン・ガンホ)が最後に生き残るのはいかがなものか?最後に自分が南の兵士に最初の発砲をしてしまったと知ったスヒュクが自殺するのであればなおさらだ。ただ、38度線をめぐる隣国の時代背景と感覚を知る良いきっかけとはなるかもしれない。 余談ながら、南のスヒョク兵長を演じたイ・ビョンホンは爆笑問題の「太田光」 かメッツの新庄に似ている気がしましたがみなさんはどうでしたか?   2001、6.2 


「 ハンニバル 」アニメです 

主演 アンソニー・ホプキンス ジュリアン・ムーア   /監督 リドリー・スコット  (高級風大衆向けサスペンス作品)  満足度 4

 厳かなアリアとクラシック音楽。重厚な作風。ひょっとしたら含蓄に富む哲学的作品か?と思ってしまいそうな、大衆向けのサスペンス+ホラー作品。前回の「羊たちの沈黙」もよくわからないような作品だったが、今回の方が わかりやすさという面では上かもしれない。ただ、前作の主人公はあくまで「クラリス」だったがジュディ・フォスターが降板した今作品は、レクター博士がまちがいなく主人公になっている。新・クラリス役のジュリアン・ムーア も健闘しているがどうしても「華」という面でだけやや残念な気がする。
 物語的には中盤のクラリスが免職になってしまう「はがき」のエピソードあたりがややわかりにくくなっているが、そのほかは平易にしかも殺人風景まで重厚に、美的に描かれていて風格さえある。単なるサスペンスホラーを擬、父と娘風なやりとりや 重々しく格調高く描いた点で評価されるべき作品だと思う。  2001、5.7 


「 キャスト・アウェイ 」アニメです 

主演 トム・ハンクス ヘレン・ハント   /監督 ロバート・ゼメキス  (無人島物風辛口社会派作品)  満足度 4

 なかなか評価がむずかしい作品。無人島物の娯楽作品としてみればそれなりに面白いのだが、復帰後の人間ドラマやラストの交差点の真ん中にいる主人公の風景などの場面で「哲学性」を感じ取ってしまって素直に楽しめない感じ。 しかも最後に交差点でどちらに進もうか迷っているように見える主人公の姿が、私たち現在社会の先行き不安な世界を暗示しているようでやや気が滅入ってしまう。「希望」が入っていた荷物を届けてしまった後まだ、「希望」を 新たに見いだすことは可能なんだろうか?ハッピーエンドとならない辛口のストーリーが現実世界を思い出させてちょっとしんどいかな。  2001、3.24 


「 ハートオブウーマン 」アニメです 

主演 メル・ギブソン ヘレン・ハント   /監督 ナンシー・メイヤーズ  (50年代風ロマンティックコメディ)  満足度 4

 今年は選ぶ映画がみんな面白いです。セレクト好調ですね(自己満足)突然女性の心の声が聞こえるようになってしまった広告代理店に勤める男が、その能力を武器に女性の心を読みまくり、女性に訴える広告を見事作り上げ、狙っていた部長のイスをつかみかけるが・・・といったストーリー。 銃をばんばん撃たないメルギブソンも不気味ですが、なかなか「勘違い男」を上手に演じています。また、相手役のヘレンハントはもうメリルストリープに演技力の面で並んだのではないか!?という見事さ。今回の役どころでは、女性の利発さと一人で生きる弱さを、的確に演じています。
自分としては終盤ダーシー(ヘレン)が酒場でつぶやく「自分の気持ちに素直に従っていくと愛を失ってしまう」というセリフに 「うんうん!」と頷いてしまいました。自己実現の欲求と結婚生活を両立させるのは本当に努力がいるものだとため息が出てしまいます。またコーヒーショップの「ローラ」を振るときも相手の思い違いはあったものの、「ゲイだ」とローラを傷つけないことを一番にと考えた言い訳に、ニック(ギブソン)の心の優しさがよく描かれていたと思います。 こんな、底辺に「やさしさ」が流れているラブコメが支配人は大好きです。   2001、2.17


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