アニメです 田 舎 映 画 館 5 アニメです


支配人の張り紙  「 最近、長野の映画館も駐車場割引が増えてきて良い傾向です 」


 
次回上映、「 未定 」です。

 2005年度支配人の選ぶベスト5

田舎映画館 へ
田舎映画館2 へ
田舎映画館3 へ
田舎映画館4 へ


「 ハウルの動く城 」アニメです 

主演(声)倍賞 千恵子 木村 拓哉  /監督 宮崎 駿 (ご教訓付き哲学アニメ)  満足度 4  

 期待の宮崎駿監督アニメ新作。前回の「千と千尋の神隠し」は日本が舞台だったが、今回はおなじみの西洋に戻っている。主人公は帽子の仕立て屋の娘のソフィー。若いのに青春とは程遠い若さの無い生活をしていたところ、荒地の魔女に魔法を掛けられ90歳の老婆の姿にされてしまう。老婆の姿では家にいられなくなったソフィーは、偶然近くに来ていたハウルに以前出会ったことから、ハウルの動く城に押しかけ冒険に出かけるというストーリー。ソフィーが自分に魔法を掛けた荒地の魔女をうらみもせず後半では面倒を見たり、カブの恩返しがあったり今回も教訓に満ちている。ハウルとソフィーのだんだん近づいていく関係の描写や、マルクルと老婆姿のソフィーとのふれあいなど見所は十分ある。ハウルをはじめ、この物語の主題の一つに「弱音を吐く」ということがあると思う。しかし諸手をあげて賛成できないのが、動く城を出たあたりからの「分裂症気味」のストーリー展開だ。宮崎作品は昔から「ナゼ??」は多かったが今回は「どうなっちゃったの?」という感想を持った。それでちいさな感動は多々あるものの物語り全体を通しての印象でこれといった感想が出てこないところが残念。前回の千尋は映画の進行と共に目に見える成長があっただけに未だ映画を消化し切れていないのかもしれない。   2004,12,17 


「 隠し剣 鬼の爪 」アニメです 

主演 永瀬正敏 松たか子  /監督 山田 洋次 (たそがれる前の清兵衛の物語)  満足度 4  

 「たそがれ清兵衛」ととてもよく似た話で損をしているところは確かにある。しかしこれはこれで楽しめる作品だ。主人公の片桐(永瀬)は未婚で、田舎の藩に仕官している若手の侍だ。しかし父は昔、無実の罪で切腹し、母も亡くなり粗末な家で質素な生活をしている。そんな中昔奉公していたきえ(松)が嫁ぎ先の商家でひどい扱いを受けていると知るなり連れ戻しくる。ここは主人公がおとなしそうだが、いざとなったら行動力もあることを示している。それと同時に主人公の「熱さ」を感じさせるところだ。その後藩から昔の道場仲間で、今は謀反の罪で逃亡している狭間(小澤征悦)を討てとの藩命が下る。ここら辺は「たそがれ清兵衛」そのままだ。悩んだ末に友を討ち果たすが、家老の不誠実さを目の当たりにしたことで「隠し剣」で家老を暗殺する。というようにストーリーは続く。主人公が師匠から教わった「卑怯な手」で果し合いに勝つ事は、それはそれで理解できるが、隠し剣で家老を暗殺してからが一番納得できなかったところだ。「悪者とはいえ人一人殺したのに、自分は意中の女性と結婚して さっさと蝦夷に行ってしまう」というところがどうも腑に落ちない。侍を辞めたことぐらいで自分自身の気持ちの整理はつくものだろうか?いい加減なヤツだったのか?仕置き人じゃないんだから。ということでクライマックス後も今回は丁寧に作られていて好感は持てるが残念ながらそこに納得がいかなかった。    2004,12.7


「 モンスター 」アニメです 

主演 シャーリーズ・セロン クリスティーナ・リッチ  /監督 パティ・ジェンキンズ (英雄なら伝記になったであろう、連続殺人犯の物語)  満足度 4  

 2004年度のアカデミー賞最優秀女優賞に輝いた、シャーリーズセロン主演の実話に基づいた作品。映画の冒頭で主人公の娼婦・アイリーンの顔にアップが出る。美人を見抜く目を持つ私なら「磨けば光る」と評価できるが、その「ごつい」顔にはやはり「あまり見たくない」という位のインパクトがある。指名手配写真にシャーリーズセロンの普段の顔が載っても、この映画のアイリーンを演じている女性がが同一人物とはわからないだろう。低予算の映画らしいが、この作品に「気品のようなもの」を感じてしまうのは、恋人でレズ仲間のセルビーという存在を得た事によって、手段は別にしてアイリーンが「生きる力を取り戻した」ことによると思う。人は何か大切なものを得た時に光り輝くものだと言う事が この映画ではストレートに表現されている。悲劇的だったのはそれが殺人によってお金と車を得るという結果に行き着いてしまったことであるが・・。ラストで服役中のアイリーンがセルビーに会いたいが、彼女を犯罪に巻き込みたくないと悩むところで、もう一つ葛藤がうまく表現されていれば出色の作品となったのに、最後の締めが後一歩だった。セルビー役のクリスティーナ・リッチは美人でもスタイルのよくないが、「カリスマ性」があり、アイリーンが夢中になっていったわけをうまく体現していたように思う。   2004、11,21


「 スパイダーマン2 」アニメです 

主演 トビー・マグワイヤ キルスティン・ダンヒト  /監督 サム・ライミ (若きウェルテルの悩み風ヒーロー物)  満足度 4  

 さすがに伝統のあるアメコミをベースにしているだけのことはあり、ストーリー展開には納得させられるものがある。また、5年ほど前の007がよく悩んだようにこの主人公も「スパイダーマンやめようか」ととってもよく悩む。まるで現実世界の我々が「仕事やめようか」と悩むのと同じレベルだ。「身近である」ともいえるが、一昔前の超越的なヒーロー像からはだいぶ具合が変わってきている。今回の敵役のサイエンティストの背景の描き方は足りないが、ビジュアル的にはなかなかインパクトがある。と、ここまではよいのだが前作でも言ったように「ヒロイン」が好みではないために今ひとつ大絶賛というわけにはいかない。高いビルの中をひょいひょい跳んでいくシーンは開放感があるし見物だが 「あんな女の子にそれほど悩むのかよ!」という個人的な理由が邪魔していて冷静さを欠いてしまっています。  2004,8.27 


「 ハリーポッターとアズカバンの囚人 」アニメです 

主演 ダニエル・ダトクリフ ルパート・グリント  /監督 アルフォンソ・キュアロン (アメリカングラフィティ的ハリーポッター)  満足度 4  

 監督交代により、作品の印象がだいぶ変わりました。全体的に青味がかったソフトフォーカスでやや暗めの画面。これがどうも違和感があってなじめませんでしたが、「魔法の世界の出来事」と割り切って考えればそれ風といえるかもしれません。あと、出演者が成長しすぎていますね。「学園物」というより「青春物」のような登場人物が「小学生」のような物語を演じているのがなんだかなあって感じです。ただストーリーは良く整理されていてわかりやすく好感が持てます。だんだん謎解きの要素も出てきて次回作への興味も持たせています。「どんな強敵なんだ?」と思わせていた「アズカバンの囚人」が結構いい人という構成は、どんでん返しというより「肩透かし」に感じました。  2004,7.7


「 デイ・アフター・トゥモロー 」アニメです 

主演 デニス・クエイド イアン・ホルム  /監督 ローランド・エメリッヒ (氷河期襲来における人間ドラマ)  満足度 4  

 大作「インデペンデンスデイ」の監督による久し振りの大作。今回は地球温暖化による環境変化で南極の氷が溶け、海流が変化し異常気象・気温低下を招き「氷河期」とも呼べる環境にしかも急激に地球全体が変化する事になってしまう。その時あなたはどうする?というのがこの映画の主題の一つだ。
文明が進歩し何不自由なく生活していると思える現代人だが、いざ「地球規模の変化」に襲われると驚くほどできる事は少ない。我々庶民としては、家にこもるために生活用品の買いだめや食料品の買いだめなど、あのオイルショック時とほとんど変わらない防御法しか持っていないことに気づかされる。
物語は古代気象学の研究者がたまたま 「将来への警告」として講演した事が現実におきてしまう。それも予想を超える速度でだ。彼の息子や医師である妻の患者、それに合衆国政府の動きを追いながら展開していく。合衆国の地図に東西に線を引き「この線より北の人は時間切れだ」と発言する場面は怖さがある。物語自体にはそれほど特筆するところはないが、なんといっても「すべてが凍りついていくサマ」を映画館の大スクリーンで見る事にこの映画の一番の売りはある。できたら映画館で見ていただきたい映画の一つといえる。
ラストで多くの犠牲者を出しながらも生き残った人々があちこちの建物の屋上に現れるところは「希望」と「人間の強さ」を感じさせてなかなか感動的だ。わりと短い期間で気象が回復してくるような気はするが、世の中への警告も含めて素直に楽しめるエンターテイメント作品といえる。   2004、6.7 


「 ロスト・イン・トランスレーション 」アニメです おすすめ!

主演 ビル・マーレイ スカーレット・ヨハンソン  /監督 ソフィア・コッポラ (異国で忘れえぬ親友を見つけるドラマ)  満足度 5  

 「ロスト・イン・トランスレーション」とは「翻訳不能」、「翻訳できずにこぼれ落ちたニュアンス」とか言う意味。文字通りではCM撮影の場面での通訳のいい加減さを表すが、見終わった後「なかなかうまいタイトルだ」と感じた。物語は元アクションスターだが今は映画出演にもすっかりご無沙汰の様子の中年の俳優・ボブ・ハリス(ビル・マーレイ)がサントリーウイスキーのCM撮影のために来日するところから始まる。CM撮影で通訳不在のどたばたぶりや、ホテルで浴衣姿に所在無げなところとかコメディ的な場面はたのしい。そのうちカメラマンの夫について東京にやってきたシャーロット(スカーレット・ヨハンソン) をエレベーターのなかで見かけ、夜のバーで言葉を交わす事に成功する。シャーロットも一人で東京界隈を探索してみているものの今ひとつ楽しめず、友人に国際電話を掛けてみても時差があるのでゆっくり話せず孤独感にさいなまれていた。序盤で言葉の通じない異国で、夜も寝付けずしだいに寂しさを募らせていく様子が丁寧に描かれている。しかもともに配偶者とは「心が通じない状態」で孤独感はいっそう深まるばかりだ。
 ふたりは知り合った後カラオケに行ったり、病院に行ったり、すし屋に行ったり行動を共にすることが多くなる。そしてそれまでただの時間つぶしの遊び友達だと思っていた二人がボブの帰国が現実となった時点で実はかけがえのないパートナーだったと気づくところが心を打つ。ボブはバーの年増の歌い手とはあっけなく深い関係になるものの、シャーロットとは二人でベットに寝転んでTVを見たりしてもそういう関係にはならない。いや「しなかった」という方が正しいかもしれない。人間、本当に寂しいのは異国で言葉が通じないことではなく、「心が通じる相手がいないこと」だとこの物語は教えてくれる。だからこそ 二人はお互いの大切さにも気づき何度も別れを告げながら最後にボブがタクシーから降りてシャーロットに会いに行く場面は名場面と言えよう。ボブの男らしい行動に感動し、また「この後二人はどうなるの?」とこちらの方が心配してしまう。この二人の関係は?恋人?友人?これこそが「翻訳不能」な関係だったのかもしれない。主役のビルマーレイが秀逸。これがトムハンクスでは無骨さ・不器用さがでない。スカーレットヨハンソンも自分の生き方に悩む若い女性を魅力的に演じている。見終わった後の余韻が良い作品。  2004.5.27


「 キル・ビル VOL2 」アニメです 

主演 ユマ・サーマン デビット・キャラダイン  /監督 クエンティン・タランティーノ (殺し屋が職業の夫婦喧嘩風アクション)  満足度 4  

 VOL1とはまったく違った味付けでびっくりします。VOL1は荒唐無稽チャンバラアクションという感じでしたが、VOL2は落ち着いたイメージで言葉のやり取りにも重きを置いた演出になっています。ザ・ブライト(ユマ・サーマン)の復讐が遂げられていく道筋は大方の予想通りですが、ラストで娘が生きていたことや(詳しくはVOL1でもばらされていますが・・)カンフーの師(パイ・メイ)との修行やエル(ダリル・ハンナ)が碧眼になったわけなどのエピソードが思ったより洗練されていて今回はストーリーでも見せてくれます。 途中の棺おけに入れられて生き埋めにされる絶体絶命の場面ではスクリーンも消え「ひょっとしたら映写事故???」と心配になるぐらいの時間絵が映りません。なかなか思い切った演出です。  ラスト近くでかつての恋人のビルをようやく見つけ出し、一夜限りの親子水入らずを過ごし、ひょっとしたらこのまま暮らすのかな?などと思ったのもつかの間、結局は最後の一人になるまでやるわけです。この間の二人の会話がなかなか含蓄があり身に覚えのあることもあったりして意外と感動しそうになります。最後がちょっと唐突かなという思いはありますがVOL1,2と二つに分けたのが良い方に作用した気がしました。そうそう、続編が作られる要素も十分ありました。 2004,5.1


「 ペイチェック・消された記憶 」

主演 ベン・アフレック ユマ・サーマン  /監督 ジョン・ウー (パズル型アクション)  満足度 3  

 凄腕のコンピューター技術者で、任務完了の後は他に情報が漏れないようにその間の記憶を消すということのセットで多額の報酬をもらっているのが主人公。情報漏えいがよく新聞記事で取りざたされる昨今では、真実味がある設定だ。物語は一穫千金の3年にわたる仕事を決意したところから動き始める。難点なのは彼の記憶が消されたところがあまりに唐突だったので、映画を観ているこちらもすこし意識朦朧ぎみとなってしまうことだ。そこから残された20品のガラクタが彼の今後の行動を助けるために彼自身が送ったらしいこと(なにせ彼の記憶は消されている)がわかってくるあたりがサスペンスの最高潮か?ガラクタがそれぞれ役に立つあたりは面白いが、いまいち展開にリズム感がない。あとはB級アクションへまっしぐらといった感じだ。 恋人役のユマサーマンも今ひとつで、いつ日本刀を取り出すのかとハラハラしてしまった。(キルビルの影響です)ラストの落ちも落ちたのか落ちてないのかよくわからないできで、素材は良かったが料理人がいまいちだったという印象である。  2004、3.27


「 半落ち 」アニメです 

主演 寺尾 聡 鶴田 真由  /監督 佐々部 清 (犯罪と人生ドラマ)  満足度 4  

 「犯行後の二日間、被疑者・梶警部(寺尾聡)は何をしていたのか?なぜしゃべらないのか?」というのがドラマの序盤でのテーマ。柴田恭兵演じる取調官とのやり取りの出だしは良い。ところが「歌舞伎町で目撃」との情報からスキャンダルを恐れた警察はもみ消しを始める。そんな警察の威信や検察との取引などが絡んでくるうちにだんだん最初の焦点がぼやけてくる。後半では介護問題や夫婦間の愛情、骨髄移植なども絡んできてドラマとしての盛り上がりは出てくる。また、だんだん二日間の内容も明らかになってくるが、翻って最初の「なぜ?」に戻ってみると今ひとつ納得の出来る答えが用意されていない感じだ。もちろん「骨髄移植が出来なくなる51歳になったら死ぬ気だった」とか「移植提供者に迷惑がかかる」など言葉による 説明はあるが、見終った感としてはやっぱり「何か腑に落ちない」といったものが残った。映画自体は良い映画だったのだが、そのために「絶賛」とはいかないのが残念。  2004,3.17


「 ロードオブザリング・王の帰還 」

主演 イライジャ・ウッド イアン・マッケラン  /監督 ピーター・ジャクソン (読み終わったという満足感)  満足度 3  

 ロードオブザリング3部作の最終作・完結編。いきなり前回の続きから始まるので、前回作の復習をしておかないとストーリーについていけなくなる。今回も「戦闘場面」がメインなので、これまた前作の「ヘルム峡谷の戦い」でイヤっというほど戦いの場面(もちろん、すばらしい場面でしたが)を見せられた身としてはちょっと食傷気味。大好物も毎日食べれば飽きるって言うか。幽霊部隊の参戦も「木が動く」=エント族の前作の意外性・ファンタジー度にはかなわないかも。この作品の良いところは「こうなると良いなあ」って思った通りに物語が進んでいくこと。ハッピーエンドのオンパレードともいえる。ラストでフロド(イライジャ・ウッド)が指輪の魔力に負けて自分の指にはめてしまうが、だからといって「アンチヒーロー物」という気はしなかった。だから指輪の魔力に負けてしまった心の傷を癒すことが出来ず、再び冒険の旅に出ていく最後が「そういう体になってしまったんだ」程度にしか思えないのが、私的には残念。指輪を捨てる旅の「苦労さ」が3部作を見続ける観客にも同じ「苦労」を感じさせるところが 演出のすばらしいところかもしれない。主人公が別行動で旅を続けることと、人間・エルフ・ドワーフの3人組の活躍度が少なかったことが今回は物足りなかったかな。   2004,2.17


「 ミスティック・リバー 」アニメです 

主演 ショーン・ペン ティム・ロビンス  /監督 クリント・イーストウッド (見た後重い気持ちになる秀作)  満足度 4  

 見る前から評価が高かったが、なるほど演技派3人が役になりきっていて一気に見せてしまう演出も前評判通りだ。今回はストーリーは書かないが、一番のわかりやすいテーマである「もしあの時、車に乗っていたのが違う人間だったら?」という問いかけは人生はやり直しが利かないことを知っている人にはやるせない問題だ。しかし今回一番心に残ったのは「夫と妻の関係」の描写だ。もとより夫婦の結びつきにはいろいろなパターンがあるとは認識しているが、「夫は殺人犯では?」と夫を信じられなくなった妻(マーシャ・ゲイ・ハーデン)は結果的に夫を亡くし、友人を信じたショーン(ケヴィン・ベーコン)は妻を取り戻す。そして「悪の道」に走ったジミー(ショーン・ペン)は妻も同化を選ぶことで結びつきを強めるといった 描き方だった。あえて友人を間違って処刑して打ちひしがれているショーンに対する妻の場面を描いたことや、パレードの場面で3つの家族を順番に何度もカメラが追うことで、作者には妻と夫の問題をテーマの一つにあげているのだと思った。
 「真犯人は誰か?」というサスペンスも緊張感があり、登場人物の人間性もよく描けており間違いなく秀作であろう。ただ、見終わった後なんとも「重い気持ち」になるのが「娯楽性」を求めた人にはなんとも厄介である。あと、真犯人の動機もちょっと弱いかなと思った。  2004、1.27


「 ラストサムライ 」アニメです 

主演 トム・クルーズ 渡辺 謙  /監督 エドワード・ズウィック (ハリウッドで作ったとは思えない時代劇)  満足度 4  

 わりと前評判の高かった「ラストサムライ」を見てきました。監督も外国人で正真正銘の異国で製作された日本の時代劇です。時は江戸時代が終わって明治時代になった頃で近代化の波が押し寄せ武士が失業していく時代背景です。オールグレン大尉(トムクルーズ)は南北戦争やインディアンとの戦争を通じて、武力に物を言わせての原住民圧殺に疑問を感じていた元士官。すさんだ生活をしていた彼の元に日本から「大村」(原田眞人)という明治政府の高官が日本の軍隊の近代化のための指揮官としてオールグレンをスカウトに来ます。しかし日本に来て政府に楯突く「勝元」(渡辺謙)の騎馬部隊に破れ囚われの身となってしまいます。ところがそこでの暮らしぶりから日本の「武士道精神」 に目覚めたオールグレンは次第に勝元の村での生き方に惹かれていきます。結局一度明治政府に復帰するものの最後の戦いでは勝元軍として戦い、生き残った後は明治天皇に勝元切腹の刀を献上するというストーリーです。この映画が実に時代劇らしさを保っている秘密は真田広之や福本清三らの侍が自然な姿に見えるためでしょう。渡辺謙の熱演は評判どおりでしたがヒロインの小雪や子役たちもなかなかの演技で映画に落ち着きを与えていると思います。ただしラスト近くの政府軍が勝元軍に頭を下げるクライマックスが今ひとつ感動的にならなかったのが惜しまれます。
改めて見てみると時代劇は決して古臭く無く、その時代での息遣いさえ感じることが出来たら十分見るに耐える映画になることを示した点ですばらしいと思います。 昨年のたそがれ清兵衛は日本で作った時代劇として傑作でしたが、このラストサムライは外国で作った時代劇として画期的なものだと思います。  2003,12.7 


「 マトリックス・レボリューションズ 」アニメです 

主演 キアヌ・リーブス キャリー・アン・モス  /監督 ウォシャウスキー兄弟 (+∞+(ー∞)=0?)  満足度 4  

 1999年、「いつの日かこの映画を映画館で見たことを誇りに思う日が来るだろう」(キネマ旬報掲載より)と支配人が最大級の賛辞を送ったマトリックスシリーズもいよいよ完結です。結論から言えば「なるほど!」と思ったこともある代わりに、「?」マークも依然として多数そのままというのが真相です。また4年前は画期的で感動的であった「CG」が今では「普通」に思えてしまうほど映画の中で使われるCGは進歩したといえるでしょう。
ストーリー的には「救世主・ネオ」(キアヌキーブス)が自らの正反対の存在である「スミス」と最後の戦いを行い、お互いに裏表である存在が同化したために「ゼロ」に戻ってしまい、「マシンと人間」の 均衡が以前のように保たれたということらしいです。(あくまで「らしい」)
ザイオンでのマシン軍団と人間との戦いの様子など、とても見ごたえがあるのですが、「CG」なんだと意識しないことが逆に「普通の戦闘場面」という印象にもなってしまって「感動」を生むまでには至っていません。また、マシンシティに着いたときトリニティ(キャリーアンモス)が死んでしまう(らしい)のも「リローデッド」であれだけ「死なせたくない」と苦闘したネオを思い出すと、とってもあっさり死なせてしまったなあと思いました。リローデッドではとても「人間的」だったネオがレボリューションズでは「神がかり」というように見えます。 それだけ「進化した」と見ることも出来出来ますが。また「脇役」のエピソードも豊富に挿入され物語にまとまりを持たせています。
今回の作品には「選択」という言葉がよく出てきますが、現実の厳しい世の中を生き残っていくためには、観客自らも「選択」をこれからの生活で していかなければならないことを示しているのかもしれません。「選択」は自分の責任において行うことなので、とても重いものですね。物語的には問題はありませんが、やはり衝撃的だった第一作が最終的には印象に残るものとなったようです。  2003、11.17


「 キル・ビル 」アニメです 

主演 ユマ・サーマン ルーシー・リュー  /監督 クウェンティン・タランティーノ (スターかくし芸大会の外国語劇)  満足度 4  

 外国の人が刀を振り回しているということで、なかなか不思議な映画でしたが、娯楽映画としては十分合格点をあげられます。イメージ的には「豪華版B級映画大作」という感じで、監督の個性が見事に映画に反映されています。特に刀での「立ち回り」はなかなか力が入っていて、ゴーゴー夕張(栗山千明)・・((それにしてもすごい名前付けてますね!タランティーノが「ゆうばり国際ファンタスッティック映画祭」にとても良い印象を持っていたということでしょうね。))がブライト(ユマ・サーマン)と青葉屋で死闘を演じるところなどは、「迫力だけなら、たそがれ清兵衛と互角」と思ってしまいました。結構手に汗握る立ち回りを見せてくれています。 でも映画全体の雰囲気は「少林サッカー」に似ていてちょっと変、ありえないけどいままで映画で見たことないし、見てみたいと思っていたというイメージです。血糊の量や手や足を切られた人が大量に出てくるところがタランティーノらしいですね。 ストーリー的には昔暗殺団の一員だったブライトが自身の結婚式の最中にかつてのボスの一団に襲われ皆殺しにされてしまいます。しかし唯一花嫁だったブライトは奇跡的に4年の昏睡状態から復活し暗殺団のメンバーに復讐していくという単純なものです。 今回は暗殺団5人のうち2人に復讐を果たし、そのうちの一人がオーレン・イシイ(ルーシー・リュー)で東京のやくざ界の女親分の役です。ラストの雪の日本庭園でのブライトとの決闘は、こちらから見ると外国人二人が刀で立ち回りをするというめまいがしそうなシチュエーションですが、二人ともなかなかの動きを見せていて、特にルーシーはそのまま時代劇に出ても良いような腰のすわりです。ストーリーを追うのではなく今度はどんな画面を見せてくれるかという点で続編も見てみたくなる作品ですね。  2003、10.27 


「 踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ! 」アニメです 

主演 織田 裕二 深津 絵里  /監督 本広 克行 (湾岸署大同窓会)  満足度 4  

 前作が大ヒットし、しかも内容が充実していたため「2」は難しいかな?と思われていました。しかし5年の歳月を経て戻ってきたわけです。メンバーはほぼ前回同様。「ここは転勤は無いのか!」というような突っ込みは楽しむのに邪魔なだけです。観客自身も「踊る」ファミリーとして、また皆と会えて、事件がおきて、本店がやってきて、一もんちゃく合って、何とか解決する・・・という流れの中に身を任しましょう。そしてスクリーンでの「青島刑事の動き」「青島刑事の叫び」「湾岸署の皆の動き」を楽しむのがこの映画の正しい見方だと思います。前作の感想で支配人は「今年最も楽しめた映画であったが、最も優れた映画とはいえない」と書きましたが、映画のレベル的には それでも前回の方がやや上のようです。しかし楽しさに関しては互角で十分楽しめました。今はTVなどで主役級のメンバーが5,6人いるのですから豪華なことこの上ないです。また、映画に引き付ける要素として、リストラされた30歳代が犯人ということや、本店からやってくる女性管理官、カメラを使った監視システムなど興味を引く内容が盛り込まれています。しかし、映画の内容の中で十分こなれていなかった気がするのが惜しいところです。今回の主題である「リーダーが優秀なら組織も悪くない」という青島刑事のセリフを素直に青島ー室井ラインのつながりの深まりと青島刑事の成長と捕らえることがこの作品を楽しいだけのものではなくちょっと深みのあるものにするコツかと思います。「パート3」のうわさもありますが、湾岸署のメンバーが画面の中で動いているだけで満足というコアなファンも多いだけにまんざら不可能な話ではなさそうです。   2003、10.5 


「 ターミネーター3 」

主演 アーノルド・シュワルツネッガー クレア・ディーンズ  /監督 ジョナサン・モストウ (新・ターミネーター1?)  満足度 3  

 前作ターミネーター2から12年、その続編がやっと出来ました。前回の警察官に化けたりしたT1000型ターミネーターは強かったですねえ。金属なら何にでも姿を変えることが出来て「こいつは手ごわいぞ」って映画を見ながら思ったものです。さて、その続編である本作品はさらに新型の女性型ターミネーターが登場です。演じるクリスティナ・ローケンは機械的な動きの中にも美しさがあり、見ごたえがあります。ただ、今回の最大の見せ場はクレーン車を使ってのカーアクションでしょう。道路のものをすべてなぎ倒しながら走るサマは、これ以上の派手なアクションはもう考えれないかも!って思わせるほどです。
 ストーリーは、未来において機械軍と戦う人間軍の司令官になる「ジョンコナー」抹殺に失敗した機械軍が副司令官となるケイト・ブリュースター(クレア・ディーンズ)抹殺のために新型ターミネーターを送り込む・・というところから始まります。それを追って人間軍はT800型ターミネーターを送り込む?・・・これってシュワちゃんの役柄は逆になりましたが、第一作そのままではないの?って気がしますね。
 このシリーズの欠点は、「これからどうなるんだろう」というワクワク感に欠け、「こうなるはずだ」という楽しみ方しか出来ないところです。スターウォーズエピソード1、2シリーズと同じです。また、ラストで「審判の日」(核戦争)がやってきてしまうという設定は生理的にちょっとどうかなあと思いました。それと今回監督が交代したせいか「大型B級アクション」という品格になってしまっているように思います。残念ながら2作目のレベルには到達しなかったかなという印象でした。   2003、7.19


「 チャーリーズ・エンジュル フルスロットル 」

主演 キャメロン・ディアス ドリュー・バリモア  /監督 McG (ノーテンキアクション)  満足度 3  

 前作が思ったより面白かったので、続編を見に行きました。エンジェル3人はそのままですが、ボスレー役が交代しています。(しかも黒人に)冒頭の崖から落ちながら飛行機で脱出する場面を見て「この映画は「ありえない!」とかちゃちを入れて見てはいけない映画だな」ってわかりました。とにかく「荒唐無稽」の事が数多く出てきます。この映画の売りの「ダートレース」の場面はレースそのものの迫力もあり見せ場となっています。また、ビーチの場面はナタリー(キャメロン・ディアス)とデミムーアのビキニが拝めるサービスもあり男性は見に行く価値ありです。ストーリーはあるようなないような、国家機密の指輪を探す旅(ロードオブザリング?)。途中でディラン役のドリューバリモアが悩む場面が出てきますが、「製作に名を連ねているから目立ちたくて挿入した場面かな?」なんて意地悪に考えてしまいます。残念ながら第一作ほどのまとまりも無くTVシリーズの数本の中の一本程度の出来栄えかなって印象です。何よりもエンジュル3人より悪役のデミ・ムーアの方がカッコいいと思えるぐらいですから、困ります。それにそもそもエンジュル3人組は美人なのか?という根本的な疑問も感じてしまう作品でした。ゲスト出演の初代エンジェル・ジャックリン・スミスと比べてしまうからでしょうか?ただ、劇中歌は70年代、80年代のロックのオンパレードで嬉しい限りでした。。  2003、7.12  


「 マトリクス・リローデッド 」アニメです 

主演 キアヌ・リーブス キャリー・アン・モス  /監督 ウォシャウスキー兄弟 (哲学風恋愛映画風SF)  満足度 4  

 前作の「マトリックス」はワイヤーアクションと「人類は仮想空間で生かされている」という発想が新鮮で、かなりのインパクトがあった。また、ファッションとしてもかっこよく大ヒットとなった。さて、今回はその続編。ストーリーとしては前作で「救世主」として生き返ったネオ(キアヌ・リーブス)が人類の残された地下組織「ザイオン」に戻り、機械との抗争を終了させるために、再びメイン機械(コンピューター)内部のソース(パソコンで言えばウインドウズみたいなものかな?)に侵入し、果たして人類と機械との戦争は終わるのか!?といったところ。物語のところどころに哲学的な思想が織り込まれ、また、甦ったもはやエージェントではない「エージェント・スミス」(ヒューゴ・ウィービング)が増殖するところや(コンピューターウイルスがモデルらしい)、ドアを開けるとまったく違った景色のところに出るさまなど、「デジタルという世界を映画のスクリーンというアナログの世界でいかにして示すか」という試みがなされている。しかしこのまま進んで行っては観客が付いて来れなくなると思ったのか、終盤はトリニティ(キャリー・アン・モス)とネオとの恋愛に焦点を移し物語をわかりやすくしている。モーフィアス船長の元恋人の登場や再び登場した「預言者」また、次回にも絡んできそうな「最古のプログラム」の妻(モニカ・ベルッチ)、今回なかなかのスパイス役として生きている「キーメーカー」などが新たに登場し、前作に比べて登場人物とストーリーは複雑化している。この2作目はまったく途中でぶった切れているので次の完結編である第3作とあわせてやっと評価できるのかもしれない。  支配人としては、空を飛ぶネオとザイオンでの太鼓の踊りのシーンはちょっと違うんじゃないの?って思った。なお、エンドクレジット前に続編の予告編が流れるので、席を立つのは照明が点灯してからにしましょう。  2003、6.19


「 X−MEN2 」

主演 ヒュー・ジャックマン ファムケ・ヤンセン  /監督 ブライアン・シンガー (ミュータント群像劇)  満足度 3  

 X−MENの続編。今回はミュータント抹殺を企てる軍事科学者・ストライカーの登場により、前作で対立していたエグゼビア教授(パトリック・スチュワート)率いるX−MENとマグニートー率いる(ブラザーフッド)が途中から手を組みともにストライカーに立ち向かうという構図になっている。今回の作品は新たなミュータントも登場し群像劇としてより面白くなっているが、ストライカーの手による学園攻撃までの間はちょっと物語がもたついている感じ。それと前作で対立していた二つの組織があまりにも簡単に手を組むのも???と思ってしまう。まあ、案の定ラスト近くで裏切られることになるが。ウルバリン(ヒュー・ジャックマン)の過去もヒント程度しか示されないし「3作目に続く」といった「中継ぎ」の様相を呈している。ラストでジーン・グレイ(ファムケ・ヤンセン)が海に飲み込まれてしまうが、次回作ではお目にかかれないのか支配人はとっても心配である。ストーリーとは関係ないが、端役に(警官・パイロットなど)女性が多く起用されていたような気がしました。気のせいか? 通常のスーパーヒーローものは「スーパーマン」にしろ、「スパイダーマン」にしろヒーローは一人だが、X−MENは数が多いのが特徴。そこのところをうまく生かしているので娯楽作品としてはなかなか面白い。また、「恋愛関係」がとてもぐちゃぐちゃしているのも特徴かな。  2003、5,7 


「 シカゴ 」アニメです 

主演 レニー・ゼルヴィガー キャサリン・ゼタ・ジョーンズ  /監督 ロブ・マーシャル (ミュージカル法廷・監獄劇)  満足度 4  

 冒頭のヴァルマケリー(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)が楽屋に駆け込んできて、そのままステージに上がり「アンド・オールザットジャズ」を踊る瞬間、この流れと踊りの迫力で気持ちよく映画に入れた。映画は主人公の、バックダンサー上がりでステージで喝采を浴びることを夢見ながら「マネージャーに会わせてくれる」という不倫男のうそに激怒し男を殺してしまう「ロキシーハート」(レニー・ゼルヴィガー)と冒頭の場面で、夫と、コンビを組んでいた妹を殺害して楽屋入りしたヴァルマの二人が主人公として語られる。二人が監獄入りしてから出てくる女看守の「ママ・モートン」(クィーン・ラティファ)の迫力もものすごいが、ロキシーハートが妄想したことがミュージカル仕立てで、時折語られるのが良く見ていないと「何の場面?」という感じになってしまうので要注意。物語は敏腕弁護士のビリー・フリン(リチャードギア)の出現によって、「完全な黒」の二人を無罪にするべきマスコミを操作して逆に二人を時代の寵児に仕立て上げるところが楽しい。途中の操り人形のナンバーは映画の中盤の見ものだ。しかも新聞の一面を飾った女性も次にセンセーショナルな事件が起きれば忘れられてしまうという厳しい面も見せ付ける。終盤の法廷場面に至って「彼女たちはどうなるの?」というハラハラ感?も持続しつつ、ミュージカルを楽しみつつ鑑賞するのがこの映画の正しい鑑賞法かな。支配人はロキシーの夫のエイモス(ジョン・C・ライリー)が歌う「ミスター・セロファン」 がとっても気に入ってしまいました。踊りに関してはラストのロキシーとヴァルマ二人のデュエットで「キャサ・ゼタ」の踊りの「キレ」が素人でもわかるし、やっぱり基本があるとこういう時違うなって感心しながら楽しんで見ることができました。なんといってもこの映画はキャサリン・ゼタ=ジョーンズの代表作といえるでしょう。(アカデミー助演女優賞受賞)主演でも良かったのでは?   2003、4.27 


「 ロードオブザリング・二つの塔 」 

主演 イライジャ・ウッド ヴィゴ・モーテンセン  /監督 ピーター・ジャクソン (ながーいファンタジー)  満足度 3  

 TVゲームの「ロールプレイングゲーム」を地で行く物語。魔法使いはいるわ、兵士はいるわ集団で戦うわでゲーム好きの人にとってはうれしい物語だ。ただ、究極の「不燃物(危険物)処理物語」とでもいえそうなこの話、ストーリーの中でも「とっても重い使命なんです」というセリフが出てくるが、主役のフロドが指輪の魔力に負けそうになってしまうのと同様に、スクリーンを見ているわれわれも、いつの間にか「なぜ一同はこんなに苦労して旅を続けているのか?」忘れそうになってしまう。まあ、それだけストーリーが盛りだくさんともいえる。今回は前回3つの集団に分かれてしまったため、物語が3通り平行して語られる。主役のフロド(イライジャウッド)とサムのパートはどちらかといえばスメアゴルにスポットが当たっているせいか影が薄い。逆にアラゴルン(今回は目立ってます!)ら3人組は今回のストーリーの中心に位置しクライマックスの「ヘルム峡谷の戦い」での活躍もすばらしい。また脇役のピピンら二人も「エント族」を引き連れて思わぬ反撃の場面を形作る。ただいかんせん3時間の物語は長くて「疲れる」続編を見に行くときは気力も充実させておかなければと思わせるほどだ。そう言っても内容は充実していて特に戦いの場面などはわかりやすく王道を行くつくりとなっている。登場人物の造詣もかなり深まってきて3作目を迎えるにあたっての準備は十分といったところか。   2003、4.7 


「 007ダイ・アナザーデイ 」 

主演 ピアーズ・ブロスナン ナル・ベリー  /監督 リー・ナカホリ (カッコワルイ時もある007)  満足度 3  

 冒頭の大波に乗ってサーフィンで上陸してくる辺りの出だしはなかなか。ただしこのあとスパイであることを敵に見破られ捕まってしまうのは悲しい。OO7も寄る年波には勝てないのか!?なんて考えてしまいます。そういう訳で売り物の「タイトルバック」もボンドの拷問場面や囚人の場面でいまいち垢抜けていません。ちょっとグロテスクかな。物語は北朝鮮?を舞台に人工衛星からの殺人レーザー光線で朝鮮半島の平和を脅かそうとする敵に対して、007(訳あって00ナンバーは剥奪中)と米国のスパイ(ハルベリー)が協力しながら解決するというもの。「黄金銃を持つ男」からリアルタイムでずーっと見続けている立場から言うと、「うそでしょ!」っていうようなところは減って現実っぽくなってきたので説得力はあるものの、映画らしい荒唐無稽のかっこよさが減ってしまったかな?って感じます。これも時代の流れかもしれません。だから中盤のフェンシングの場面などは、古き良き007を彷彿とさせてくれてとっても好きです。ボンドガールのハルベリーは前半は活躍しますが、後半は「静」です。まあ、あくまで「007」の物語なのですからあくまで脇役を貫いてほしいものです。秘密兵器の消える車は良かったですね。やっぱり何も考えずに楽しめるといったところでは十分期待にこたえてくれてます。 2003、3.17 


「 たそがれ清兵衛 」アニメです おすすめ!

主演 真田 広之 宮沢 りえ  /監督 山田 洋次 (江戸末期のサラリーマン武士の生き様)  満足度 5  

 評判のたそがれ清兵衛、リバイバル上映があったので、この機会にやっと見てきました。良かったですよ。期待して見に行ってしかも良かったっていうことは、作品のクオリティがかなり高い証拠です。最近は邦画に良い物が増えてきた気がします。
 明治維新がすぐそこまで来ている東北の小藩に勤める?井口清兵衛(真田広之)は着ているものも穴だらけ、勤務時間後は同僚の誘いにも乗らずに帰宅を急ぐので「たそがれ清兵衛」と陰口を言われている。しかし彼は安い給料を補うため内職に精を出すために早く帰らなければならなかったのだ。ここまでの場面で薄汚れなんとなく「ダサい」清兵衛の出で立ちと10歳と5歳の娘をいとおしみながらボケの始まった母とのつつましくも幸せそうな生活が描かれている。妻に先立たれた清兵衛は本家の勧める縁談も断って親子4人の暮らしを大切にしている。しかし幼馴染の(宮沢りえ)がで戻ってきたことを彼女の兄の口から聞いてから人生が動き出す。その後藩命による人を切る仕事などいろいろ事件が起きてくるのだが、清兵衛のキャラクターがとっても魅力的である。幼馴染を結婚後も思い続ける(これってやばいんじゃないの?)純粋さ、子供や親をいつくしむ愛情の深さ、理不尽な藩命にも従う社会人としてのけじめ、そして何より自分の生き方を持っているところがかっこよさの原点だろう。ラストの屋敷の中での切りあうシーンは「いつの時代も下のものが命のやり取りをする」という哀愁に満ちていた。また、屋敷に戻ってきたときに彼女が待っていたという「あきらめた後に奇跡は起こる」という人生の面白さすばらしさがこの映画を奥深く、しかも格調高い物にしていると思った。支配人もこれからは堂々と虫食いのセーターも着ていようと思った。(奥さんの目は怖いが)  2003、2。27


「 レッド・ドラゴン 」アニメです 

主演 アンソニー・ポプキンス エドワード・ノートン  /監督 ブレット・ラトナー (羊たちの沈黙エピソード1)  満足度 4  

 人喰いレクター博士(アンソニー・ホプキンス)がFBIのグレアム捜査官(エドワード・ノートン)に逮捕されるエピソードが前半にあり、そこから「噛み付き魔」(レイフ・ファインズ)の事件によって、二人の知力の駆け引きを通したやり取りが始まる。見終わった感想としては非常に正統的なつくりで重厚感も判りやすさもある。前作の「ハンニバル」よりはお勧めできる。犯人の造形にかなり時間を割いており、自分を神だと考えるようなモンスターになってしまった理由部分の映像がやや足りない気はするが、主人公3人体制の一角を占めるだけの背景の描きこみが成功している感じ。レクター博士は相変わらず不気味で知的で、逮捕したグレアム捜査官への復讐を秘めた二人の知力勝負の会話がなかなか緊張感があって良い。このレクターが鉄格子の中に居て、捜査官が鉄格子の外から会話をするところが、このシリーズの持ち味だと思う。そしてその場面は鉄格子の中に居るレクターの方が妙に優勢だったりする。しかも鉄格子の中に居るのに圧倒的な「恐怖感」に威圧されてしまうのだ。ただ、エドワードノートンがレクター博士と対等の「切れ者」に見えないのがちょっと弱点かな。犯人とリーバ(エミリー・ワトソン)とのラブシーンはなにか胸に残るインパクトがあった。この物語に奥行きを与えている。久しぶりに「良い役」のハーベイカイテルも渋さが健在で、後にちながる「羊たちの沈黙」への前編として申し分ない出来と言える。ラストのプレゼントもうれしい。  2003、2.15


「 マイノリティ・リポート 」 

主演 トム・クルーズ コリン・ファレル  /監督 スティーブン・スピルバーク  (近未来アクション)  満足度 3  

 トムクルーズとスティーブン・スピルバークが組んだ、ハリウッドの話題作。見終わった後は予想通り残る余韻はない。
冒頭の鋏での殺人?事件の描写は「犯罪予防システム」の解説ビデオみたいで、わかりやすいがちょっと退屈してしまった。また、空飛ぶ警官、自動制御の自動車と道路、網膜識別装置など、未来テイストのものも登場するが、物語の本筋に絡んでこないのでバックグラウンドどまりという印象。ストーリー的には予言どおりアンダートン(トムクルーズ)が誘拐犯を射殺するのか!?といったあたりがクライマックスで、支配人はてっきり「人間は予言どおりにはならない」という教訓で終わるのかなと思っていた。ところがここからの真犯人探しの終盤が、どうも物語のテンポがそれまでと異なり、ギクシャクしている。何時の時代もシステムのバグはそれをつかさどる人間のミスからだという教訓らしきものもいまいちぼやけている。プリコグ(予言者)のアガサ(サマンサモートン)を連れ出しての逃避行も、支配人の好きな「12モンキーズ」のブルースウィルスとマデリーンストウの逃避行のような「切迫感」に欠けていて、乗れなかった。  背景の描写は面白いが(スパイダーなど)お話的には突き抜けていなかった感じ。それにしてもなぜウィットワー(コリンファレル)が殺されたのは予知できなかったんだろう?   2003,1.18


「 ハリーポッターと秘密の部屋 」アニメです 

主演 ダニエル・ダドクリフ リチャード・ハリス  /監督 クリス・コロンバス  (魔法使い物ファンタジー)  満足度 4  

 ご存知ハリーポッターシリーズの第2作。この作品は第1作目を見ていないとわからない箇所(帽子の組み分けの謎・ヴォルデモードの事)があるので、順番に鑑賞した方がよいでしょう。導入の空とぶ車のエピソードなどは「ちょっと遊びすぎかなあ」という印象。また、屋敷僕のトビーが出てきたときはスターウォーズエピソード1のジャージャーピンクスの二の舞になってしまうのでは!という危惧があったが、出番が限られていたので嫌味にはならなかった。
1作目と比べると、随分ゆったりした気分で見ることが出来た。1作目はとにかく原作に忠実にという意識からか、エピソードが早くて見ているこちらも疲れてしまったようなところがあった。その点この作品は物語の焦点が「秘密の部屋の謎」に絞られているため焦点がぼやけずに集中できる。役者さんがみんな成長しているのにはちょっとビックリさせたれたが物語でも成長しているのでそう違和感はなかった。蜘蛛のCGは迫力があったが、大蛇のCGはちょっと作り物っぽかったかな。見ていてやっぱりファンタジーだなあってこの作品も思わせてくれます。  2003,1.11 


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